プロジェクト

角膜上皮・実質の再生医療
我々は、角膜内皮の再生医療の開発と同様に、角膜上皮・実質の再生医療の開発も行っています。
角膜上皮は,角膜の最表面にある4-5層の細胞層で、絶えず外界と接し,眼球を物理的にも生理的にも保護する大変重要な細胞層です。この細胞層が重度に傷害されて生じる“難治性眼表面疾患”に対しては、有効な治療法がなく失明を余儀なくされているのが現状でした。
現在では角膜上皮や口腔粘膜上皮を用いた再生医療が一部行われていますが、まだまだ解決すべき問題点が残されているのが現状です。また、角膜実質は、角膜の大部分を占めるいわば“骨格”をなす細胞層ですが、これまでは、ドナー角膜による角膜移植が唯一の治療法でありました。
しかしながら、日本においては慢性的なドナー不足の状況はいまだ解決されないのが現状です。
このような現状を踏まえ、我々は、より安全で倫理面に配慮した角膜上皮・実質の再生医療の基盤技術の開発を目指します。具体的には、厚生省のヒト幹細胞を用いた再生医療の研究指針に則り、細胞治療研究施設等を整備し、多施設臨床試験での臨床成果の創出を念頭に、エビデンスに基づいた次世代の角膜再生医療技術開発を目指します。

幹細胞の分子構造の解明
さまざまな再生医療の開発において、その成功の鍵となるのが、組織に存在する細胞のもととなる細胞(幹細胞)に対する理解を深める事であると我々は考えています。
再生医療の技術開発に用いる細胞ソースに関してですが、この非常に潜在能力の高い“幹細胞”を選択的に用いる事ができれば、その臨床効果をさらに大きく前進させる事ができると思われます。
我々は、このような観点から、さまざまな臓器・組織に存在する組織特異的幹細胞に対する理解を深める目的で、幹細胞の分子機構の解明に関する研究を行っています。
具体的には、単一細胞レベルでの幹細胞に関する遺伝子発現プロファイル等を作成し、ノックアウトマウス等の実験手法を用いて、さまざまな分子に注目して研究を進めています。

新規角膜再生デバイスの開発
近年、再生医療の技術開発の速度は目を見張るものがありますが、角膜再生医療分野においても、さまざまな新しい技術や材料が開発されています。我々は、工学分野との共同研究をとおして、安全で臨床効果の高い、新規の角膜再生医療デバイスの開発も行っています。
具体的には、新規の生体接着剤による無縫合の角膜移植の開発や、新規の添加剤による培養技術の開発を行っています。