日本アルコール・アディクション医学会

理事長

  本学会は、わが国におけるアルコール依存を始めとする種々のアディクションや関連身体障害の医療・研究に貢献することを目的として、精神科・内科・薬理・法医・衛生公衆・看護学・社会学・脳科学等の研究者や臨床現場の多くの医療職種等の方々で構成されている学際的な学術団体です。

  我々ヒトは誕生とともに母への依存から始まり、種々の依存の誘惑の中で、それらを克服して個人として独立・成長していきます。その誘惑の中には飲酒や喫煙から危険ドラッグ・大麻・覚せい剤を始めとする薬物依存や、買い物依存・ギャンブル依存・インターネット依存などのアディクションがあり、その誘惑に捕まった事例の存在が深刻な社会問題となっています。これらを克服するためには種々の学際的な研究領域の協力が必須です。

  また、肝障害を始めとしたアルコール・薬物関連の臓器障害はその拡がりだけではなく、臓器障害者の中に多くのアルコール依存症が含まれているため、その治療が困難となり、臓器障害を進展・重症化させています。このため、内科と精神科の連携が必要です。

  職場などにおけるストレスの増加から生じるうつ病やストレス関連障害の陰にはアルコール関連の問題が潜んでいることが多く、問題をより複雑・深刻にしています。女性の益々の社会 進出と働き方改革においては、その陰としての女性における依存が問題となっており、女性研究者の活躍が期待されます。交通関連ではゼロ・トレランスが叫ばれ、飲酒運転規制がより厳格なものへと叫ばれています。以上の種々の問題のために「アルコール健康障害対策基本法」が制定され、対策推進基本計画の策定などが行われていますが、今後は学術研究部門と社会との連携が必要となっていくと考えます。

  一方、日本人にはアルコール代謝産物のアセトアルデヒドが代謝できずに体内蓄積して顔面紅潮などを起こすフラッシャーと呼ばれる遺伝性気質を有する人が4割程います。欧米人にはほとんど見られない、このアセトアルデヒド障害の研究は日本独自の分野であり、国際的にもリードすべき研究領域と考えます。アルコールの基礎研究には難問が多く残っており、今後の若手研究者の活躍が期待されます。

  アルコール・アディクション医学の関与する問題は世界中で古くからの問題です。インターネット時代とともに世界の緊密度が増し、近隣諸国との連携・共存が求められるようになってきました 2018 年には国際アルコール医学生物学会(ISBRA)が京都で開催され、多くの国々からの研究発表があり、活発な意見交換が行われました。今後、さらなる国際対応が必要です。

  民法改正により 2022 年より成人年齢が 18 歳に引き下げられますが、飲酒・タバコは 20 歳のままのため、飲酒や依存症予防についての教育の機会が増えると予想されます。また、医学教育においても行動医学がコア・カリキュラムで強調されるようになり、アルコール・アディクション医学への要請が増えるものと期待します。

  本学会はこのような活動をより円滑に行えるように 2018 年 8月より法人化されました。法人化により、学会としての社会貢献が行いやすくなりますが、同時にその責任も大きくなります。今後は法人としての社会貢献の形を模索するようになると思います。学会につきましては医師以外の加入会員が学術的発表や交流の場として多くご参加頂くようになり、アディクション対策の比重が増えてきています。学会内の連携や学会間連携などの必要性が増え、学会の活性化を期待しています。

  以上のような背景・目的・趣旨にご賛同頂き、益々の皆様方の本学会へのご参加とご活躍を心からお願いする次第です。



日本アルコール・アディクション医学会
理事長 藤宮 龍也

  
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