研究のご紹介

足の外科リサーチ

原因・病態が未解明の足の病気の研究と、治療法の取り組みを紹介します。

研究概要

ヒトの祖先が二足直立歩行を獲得したのは、およそ1,000万年前と言われています。ヒトの足は特殊な進化をとげ、最大の特徴として縦方向と横方向にアーチ構造をもち、二足直立で歩行する際にも荷重が支持できるようになったといわれています。

足部に何らかの障害が生じた場合、正確な診断を行うには診察や画像読影に多くの知識と技術が必要です。足の外科では多様な足部障害の患者さんが受診するため、その知識と技術を身につける事が可能なだけでなく、荷重支持機構の病態を解明し,効果的な機能再建法の確立を目指して研究を行っています。

CT画像を用いた足・足関節のバイオメカニクス

CT画像から生体の三次元足根骨モデルを構築し、足関節の運動および荷重にともなう各足根骨の動きをコンピューター上で計測しました。これまで、扁平足や変形性関節症において足根骨の動きに異常があることを解明し、足底挿板などの治療の有効性を証明してきました。バイオメカニクスを応用した生体足における荷重支持機構の研究を継続しています。

     
 

後足部撮影法の開発と後足部アライメントの評価

後足部アライメント評価法として、新たな撮影法と脛骨に対する踵骨のアライメント(後足部アライメント)の計測法を開発し、実用化しました。この撮影法を用いて、人工膝関節全置換術(TKA)の後足部アライメントに対する影響を調査し、TKA術前後に後足部アライメントが経時的に変化することを明らかにして報告しています。

成人期扁平足の病態解明と治療法の開発

成人期扁平足は近年増加傾向にあり、今後も増加が予想されます。とくに後脛骨筋腱機能不全症(PTTD)は成人期扁平足の主な原因で、後脛骨筋腱の損傷により扁平足変形が進行するとされています。われわれはMRIから、後脛骨筋腱と足部靱帯の損傷と扁平足変形の進行との関連を調査しています。また、CT画像から扁平足の有限要素法を用いたモデルを作製し、各症例に応じた手術法(テーラーメイド手術法)の開発を行っています。

今後の研究

  • 凹足変形の病態解明
  • 変形性足関節症における足根骨の形状および動態の変化
  • アキレス腱のバイオメカニクス
  • 体外衝撃波治療とその応用

主な業績

  • Ohashi S, Ikoma K, Kido M, et al. Two-stage correction using the Taylor Spatial Frame for severe hindfoot deformity in a patient with Marfan syndrome: A case report. J Orthop Sci. S0949-2658(16)30219-6. 2017
  • Inui K, Ikoma K, Imai K, et al. Examination of the Correlation Between Foot Morphology Measurements Using Pedography and Radiographic Measurements. J Foot Ankle Surg. 56. 298-303. 2017
  • Maki M, Ikoma K, Kido M, et al. Magnetic resonance imaging findings of chronic plantar fasciitis before and after extracorporeal shock wave therapy. The Foot. 33. 25-28. 2017
  • Ikoma K, Hara Y, Kido M, et al. Relationship Between Grading With Magnetic Resonance Imaging and Radiographic Parameters in Posterior Tibial Tendon Dysfunction. J Foot Ankle Surg. 56. 718-723. 2017
  • Taniguchi D, Oda R, Ikoma K, et al. Recurrence of deformity after silicone implant and resection arthroplasty of the metatarsophalangeal joint for rheumatoid arthritis: long-term results. Mod Rheumatol. 27. 266-270. 2017
  • Ikoma K, Ohashi S, Maki M, et al. Diagnostic Characteristics of Standard Radiographs and Magnetic Resonance Imaging of Ruptures of the Tibialis Posterior Tendon. J Foot Ankle Surg. 55, 542-546, 2016
  • Yoshioka N, Ikoma K, Kido M, et al. Weight-bearing three-dimensional computed tomography analysis of the forefoot in patients with flatfoot deformity. J Orthop Sci 21, 154-158, 2016
  • Imai K, Ikoma K, Kido M, et al. Non-osseous Tarsal Coalition of the Lateral Cuneocuboid Joint: A Case Report. J Foot Ankle Surg 55, 1072-1075, 2016
  • Takenaka T, Ikoma K, Ohashi S, et al. Hindfoot alignment at one year after total knee arthroplasty. Knee Surg Sports Traumatol Arthrosc 24, 2442-2446, 2016
  • 生駒和也, 腓骨筋腱脱臼に対する手術(腓骨筋支帯修復術,骨性制動術), スポーツ復帰のための手術 股関節,足関節・足部 OS Nexus 8, Medical View, 中村 茂編, 132-141, 2016
  • 生駒和也, 大橋鈴世, 久保俊一, 他  【足部・足関節疾患に対する骨切り術】扁平足に対する内側楔状骨骨切術(Cotton法) 関節外科35, 38-43, 2016
  • 生駒和也, 大橋鈴世, 久保俊一, 他  【外反母趾の治療 最前線】外反母趾の診察・画像診断 Orthopaedics 29, 17-23, 2016
  • 牧 昌弘, 生駒和也, 久保俊一, 他  シャルコー・マリー・トゥース病に伴う両内反凹足に対して両足部に矯正骨切り術を施行した1例 中部整災誌 59, 585-586, 2016
  • 牧 昌弘, 生駒和也, 久保俊一, 他  足底腱膜炎の診断におけるMR画像の有用性 日足外会誌 37, 193-195, 2016