京都府立医科大学での小児がん治療

小児がんとは?

腎芽腫(ウィルムス腫瘍)

 腎臓という尿を作る臓器から発生する腫瘍です。腎芽腫は小児の腎腫瘍の中で最も代表的な腫瘍であり、小児腎腫瘍の90%を占めます。別名をウィルムス腫瘍といいます。ほとんどが片方の腎臓に発生しますが、稀に腎臓以外の部位に発生することもあります(異所性)。年齢は90%が5歳までに発症します。WT1という癌抑制遺伝子に異常を伴うことがあり、腎尿路系や筋骨格系の奇形を合併する場合には、この遺伝子の異常が高頻度にみられます。

 「お腹が腫れている」「お腹に何か触れる」という症状で気づかれることが多く、他に腹痛、嘔吐、血尿などで見つかることもあります。

 腎芽腫の診断のためには、まずその腎腫瘍を観察するための超音波検査を行い、ついでCT・MRI検査を行って、腫瘍の大きさや周囲の臓器や血管との位置関係を評価する必要があります。また他の部位に転移がないかを調べるために、胸部などの画像検査も必要になります。

 腎芽腫の診断を確定するためには、腫瘍の一部を顕微鏡で調べる病理組織検査が必要になります。この病理組織検査によって、①そもそも腎芽腫であるのか? ②腎芽腫としての悪性腫はどの程度か? ③ほかの種類の腎芽腫の可能性は? を検証することになります。

 治療方針は腎芽腫の悪性度と進展度によって決定されます。一般的には外科的な手術療法と抗がん剤による化学療法によって治療され、場合によっては放射線療法を併用します。比較的悪性度が低く進展していない腎芽腫の場合、4年生存率は90%と「治せる腫瘍」の一つになりました。しかし、ほとんどの患者が片側の腎臓を全摘出しているため、正常な腎臓の機能が保てているか、腎臓に関連する合併症がないか、を長期的に見ていく必要性があることがわかってきました。