研究のご案内

循環器グループ

研究室のご紹介

臨床研究

  1. 三次元・四次元画像診断法の開発・臨床応用
     先天性心疾患の画像診断は、これまで主に造影検査や心エコー検査によって行われてきました。しかし、これらはいずれも二次元の画像であり、実際の三次元構造を理解するためには、しっかりとした経験と理解力を必要としました。
     そこで、客観的に誰でも簡単に心血管系の形態異常を理解できる画像診断法として、ヘリカルCTによる立体的・三次元画像の構築と、また同時に動脈・静脈などの各組織を色分けする(動静脈分離イメージング法)を開発してきました。
     現在、この三次元画像の画質向上と、心血管の動きの評価などの機能評価を可 能とする四次元画像表示法の開発に取り組んでいます。

  2. カテーテル治療に関する研究
     当教室では、小児における様々な血管および弁の狭窄性病変に対するバルーン血管形成術や、動脈管開存・体肺側副動脈などに対するコイル塞栓術を積極的に行うとともに、その治療成績向上のための工夫や適応・効果に関する臨床研究に取り組んでいます。
     現在、独自のdeviceの開発にも取り組んでおります。

  3. 心臓MRI、心エコーに関する研究
     近年、心臓MRI(CMR)の技術が発達し、心室・心房容積の算出・両心室駆出率の計算から始まり、各血管、半月弁・房室弁を通過する血流量・逆流率の算出、心筋線維化評価、4D flowなど様々な心機能評価が可能となってきております。小児循環器疾患領域においてCMRの活用は必須であるにも関わらず、本邦では有効に活用されていないのが現状です。また、心エコーの技術発展も目覚ましく、新たな心機能評価法が開発されてきています。当教室では、非侵襲的検査であるCMRおよび心エコーを積極的に活用し、先天性心疾患患児の心機能評価・治療への応用・臨床研究を行っています。

  4. 酸素飽和度を用いた致命的先天性心疾患スクリーニング

     先天性心疾患の中には、出生後まもなく循環動態が急変し、乳児期に何らかの介入が必要となるもの(critical congenital heart disease、以下CCHD)があり、その早期発見・早期治療は非常に重要です。
     一見して正常に見える新生児から、CCHDを持つ疑いのある患児を抽出するスクリーニング方法が2004年ごろより始められ、その有効性が確認されています。
     生後24時間以降の新生児の右上肢と下肢(左右は問わない)の酸素飽和度を測定し、その値から判定表を用いて判断します。痛みを伴わず簡便に行えるスクリーニングです。
     当科では、そのスクリーニングの普及と、スクリーニング陽性児に対する対応に取り組んでいます。
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基礎研究

  1. 心筋細胞のアポトーシスに関する研究
     成人の心不全の病態には、アポトーシスによる心筋細胞の脱落が関与することが知られていますが、小児における心不全の病態は未だ十分には明らかではなく、その原因もチアノーゼによる低酸素、左右短絡による容量負荷、弁膜障害による圧負荷など様々です。
     我々は、先天性心疾患の心不全の病態にアポトーシスが関与するか否かを知る目的で、先天性心疾患で死亡した剖検例に対して心筋細胞のアポトーシスの検討を行い、先天性心疾患の病態にアポトーシスが関与していることを明らかにしてきました。
     引き続いて、幼若ラットを用いた先天性心疾患動物モデル(低酸素および容量負荷モデル)を用いて、アポトーシスのsignal pathwayの解析を行っています。

  2. 高肺血流における肺動脈内皮機能障害-血管スパスムの病態
     先天性心疾患の中で、高肺血流型(左―右シャント)の疾患群における肺血管の障害や急性肺高血圧の発症機序の解明を目的として研究を行っています。
     動静脈シャントラット(高肺血流モデルラット)を作成し、その肺で孤立肺灌流を行うモデルを確立し、虚血再灌流や低酸素などの負荷に対する反応について、血管内皮由来血管作動物質に注目して観察を行っています。

研究メンバー

併任准教授 糸井利幸
学内講師 奥村謙一

関係学会

  • 日本小児循環器学会
  • 日本小児心電図学会
  • 日本胎児心臓病学会
  • 日本Pediatric Interventional Cardiology学会(JPIC)
  • 日本小児循環動態研究会
  • 日本成人先天性心疾患学会
  • 日本小児心筋疾患学会
  • 日本小児肺循環研究会
  • 日本循環器学会
  • 日本心エコー図学会

学会認定施設

  • 日本小児循環器学会・修練施設
  • ASD閉鎖栓施行施設
  • PDA閉鎖栓施行施設
  • 日本超音波専門医研修施設

業績

  1. Asada D, Itoi T, Nakamura A et al. Tolerance to ischemia reperfusion injury in a congenital heart disease model. Pediatr Int. 2016; 58: 1266-73.

  2. Takeshita N, Kajiyama Y, Morishita Y, et al. Successful radiofrequency catheter ablation for ventricular tachycardia of a 2.9 kg infant with Ebstein's anomaly. Europace. 2016 Oct 12. pii: euw172.

  3. Asada D, Itoi T, Hamaoka K. Asymptomatic spinal arteriovenous fistula presenting only as continuous murmur. Pediatr Int. 2015; 57: 1208-10.

  4. Asada D, Itoi T, Hamaoka K. Combination of double aortic arch and interruption of aortic arch in pulmonary atresia with ventricular septal defect. Cardiol Young. 2015; 25: 994-5.

  5. Kawai Y, Hamaoka K. Spontaneous thrombotic obstruction of aneurysmal coronary arteriovenous fistula. Pediatr Cardiol. 2013; 34:1746-8.

  6. Oka T, Kato R, Fumino S, et al. Noninvasive estimation of central venous pressure after Fontan procedure using biochemical markers and abdominal echography. J Thorac Cardiovasc Surg. 2013; 146:153-7.

  7. Oka T, Kato R, Fumino S, et al. Noninvasive estimation of central venous pressure after Fontan procedure using biochemical markers and abdominal echography. J Thorac Cardiovasc Surg. 2013; 146:153-7.

  8. Shiraishi I, Kajiyama Y, Yamagishi M, Hamaoka K, Yagihara T. The applications of non-ECG-gated MSCT angiography in children with congenital heart disease. Int J Cardiol. 2012; 156: 309-14.

  9. Toiyama K, Hamaoka K, Oka T, et al. Changes in cerebral oxygen saturation and blood flow during hypoxic gas ventilation therapy in HLHS and CoA/IAA complex with markedly increased pulmonary blood flow. Circ J. 2010; 74: 2125-31.

  10. Shiraishi I, Yamagishi M, Hamaoka K, et al. Simulative operation on congenital heart disease using rubber-like urethane stereolithographic biomodels based on 3D datasets of multislice computed tomography. Eur J Cardiothorac Surg. 2010; 37: 302-6.