A.水分管理

 

小児は必要水分量、不感蒸泄等が大きく成人と異なり、各年齢、体重に応じた対応をする必要がある。

1)必要水分量メモ1)

体重量/日
水分0〜10 kg100 ml/kgメモ2)
11〜20 kg1,000 ml+50 ml/kg(10 kgを超えたkg)
20 kg以上1,500 ml+20 ml/kg(20 kgを超えたkg)

メモ1)ミルク栄養の場合などでは必要水分量はさらに増加する。
メモ2)乳児期の必要水分量
体重10kg以下の乳児の必要水分量の決定には以下の注意を加味する。
1.新生児期:出生初期の新生児の必要水分量は、周囲環境によって大きく変化する不感蒸泄量に左右されるため、適正量の決定はしばしば困難であり、個々の状況により判断する必要がある。不感蒸泄量が増加するような状況では100ml/kg/dayより多い輸液が必要になることがあり、逆の状況もあり得る。後述の不感蒸泄量の影響因子を考慮する。生後1週間を過ぎると必要水分量は増加し、120ml/kg/dayを超えると推察される。
2.乳児期:3〜4ヶ月頃までは必要水分量は最大に達し、140〜160ml/kg/dayが必要であり、以後12ヶ月頃までは120ml/kg/dayとやや少なくなる。

 

新生児輸液開始量メモ3)
  
体重組成輸液量
(ml/kg/日)
糖の速度
(mg/kg/分)
〜1,000 g5%糖液60〜803
1,000〜2,000 g7.5%糖液60〜804
2,000 g〜10%糖液805

2)不感蒸泄量

不感蒸泄量は年齢・環境湿度・体温等により影響されるが、簡単なめやすを以下に示す。
 
未熟児・新生児:15〜25 ml/kg/日
乳児:25〜50〜70 ml/kg/日(脱水〜通常〜発熱)

3)体液区分

年齢別の体液区分の変動を示す。体重に占める割合(%)。

年齢 総水分量 細胞外液量 細胞内液量
新生児 75 40 35
乳児 65 30 35
小児 60 20 40
成人男性 55 25 30
成人女性 50 20 30

メモ3)生直後からの輸液は電解質を含まない糖液を用い、糖の投与速度は7 mg/kg/min以下とする。 呼吸、循環状態が不安であるならば、輸液量をさらに制限する必要がある。術後の輸液開始については循環管理の実際のページを参照。
メモ4)不感蒸泄量に影響する因子

増加因子 減少因子
未成熟(100〜300%) 気管内挿管(20〜30%)
開放型ウォーマーベッド(50〜300%)  
光線療法(30〜50%)  
頻呼吸(20〜30%)  

 


 

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