C.参考

2.計算式・数値

 

1)呼吸の記号、用語

項目 測定部位
圧力 P Pressure
ガス量 Volume
血液量 Q Quantity
ガス含量 C Content
ガス濃度 F Fraction
飽和度 S Saturation
拡散能 D Diffusion

時間あたり (・:ドットマーク)
 ガス流量 Flow
 血液量 Volume Flow of Blood
肺胞気 A Alveolar gas
吸気 I Inspired gas
呼気 E Expired gas
一回換気 T Tidal gas
死腔 D Dead space

動脈血 a Arterial
静脈血 v Venous
混合静脈血 Mixed venous
肺毛細管血 c Capillary

用語 記号 単位 成人値 新生児値
呼吸数 f 回/分 12〜16 30〜40
呼気相時間 TI 1.2〜1.4 0.4〜0.5
I:E比     1:2〜1:3 1:1.5〜1:2
一回換気量 VT ml
ml/kg
500
6〜8
18〜24
6〜8
解剖学的死腔 VD ml/kg 2.2 2.2
肺胞換気量 A ml/kg/分 45〜60 100〜150
吸入気流量 T L/min 24 2〜3
酸素消費量 ml/kg/min 3 6〜8
全肺コンプライアンス Crs ml/cmH2O
ml/cmH2O/mlFRC
100
0.04〜0.07
2.6〜4.9
0.04〜0.06
肺コンプライアンス Clt ml/cmH2O 170〜200
0.04〜0.07
4.8〜6.2
0.04〜0.07
気道抵抗 Raw cmH2O/ml・sec/mlFRC 0.28 0.24
肺活量 VC ml
ml/kg
3500
52
120
33〜40
機能的残気量 FRC ml
ml/kg
2200
34
100
30
全肺気量 TLC ml
ml/kg
6000
84
160
63

 

2)呼吸ノモグラム

Radfordのノモグラム16)

 
・24度の安静時の一回換気量を表す。
・発熱に対しては37度以上では1度増すごとに9%増。
・人工呼吸時の器械的死腔があれば加える。
・気管切開時は1 ml/kg減じる。

参16) Radford EDJr : Ventilation standards for use in artificial respiration. The journal of applied physiology 7:451-460, 1955

 

3)正常動脈血ガス値(37℃)参16)

新生児
(age 24/h)
乳児
(1〜24m)
幼児
(7〜19y)
成人
pH7.377.407.397.40
PaO2(mmHg)709096100
PaCO2(mmHg)33343740
BE(mEq/l)-6.0-3.0-2.00.0
HCO3(mEq/l)20202224

4)ヘモグロビン解離曲線メモ51)

・PCO2の上昇、pH低下、温度上昇、2,3-DPG上昇で右方移動する。
・P50:SaO2 50%のときのPaO2をいう。正常で27mmHg。
  ・上昇は酸素解離曲線の右方移動、ヘモグロビンの酸素親和性の低下を意味し、酸素抽出に有利。
  ・低下は酸素解離曲線の左方移動、ヘモグロビンの酸素親和性の上昇を意味し、酸素抽出に不利。胎児、チアノーゼ疾患児、高地順応等の低酸素にさらされる環境では有利。

メモ51)胎児ヘモグロビン
成人ヘモグロビンに比べ左方移動していることに注意する。

 

5)呼吸動態式

肺胞換気量A 肺胞より呼出されるガスの量(1分間)。分時換気量(E)、呼気炭酸ガス分圧(PECO2)より炭酸ガス排泄量(CO2)を測定し、肺胞換気式より求める。
 AED
 AE×PECO2/PaCO2CO2/PaCO2×0.863(肺胞換気式)

炭酸ガス排泄量が一定とするならば、肺胞気炭酸ガス分圧(PACO2=PaO2)の測定により、肺胞換気量の変化を知ることができる。

死腔換気率(VD/VT 一回換気量(VT:10〜15ml/kg体重)のなかで生理学的死腔量(VD:2.2ml/kg体重)を占める割合。動脈血炭酸ガス分圧(PaCO2)、呼気炭酸ガス分圧(PECO2)測定より求められる。
VD/VT=(PaCO2−PECO2)/PaCO2  正常は約0.3(気管内挿管時)
肺胞気−動脈血O2分圧較差(A-aDO2 肺胞酸素分圧(PACO2)と動脈血酸素分圧の差、肺におけるガス交換障害の指標。
 A-aDO2=PAO2−PaO2
      =(713×FIO2−PaCO2/R)−PaO2

FIO2:吸入気酸素濃度、空気呼吸下では0.21
R:呼吸商 0.8(ただし100%酸素吸入時には1.0)
正常値:空気呼吸下では10mmHg以下
     FIO2=1.0では60〜70mmHg

静脈血混合比
ST:シャント率)
肺において酸素化されずに体循環にはいる血液の全体に対する比。正常値は7%前後。
 ST=(CC・O2−CaO2)/(CC・O2
=(Hb×1.36(1-SaO2)+0.0031(PAO2−PaO2))/
(Hb×1.36(1-)+0.0031(PAO2))

CC・O2:肺毛細管血酸素含有量
Hb:血液ヘモグロビン濃度(g/dl)
CaO2:動脈血酸素含有量
:混合静脈血酸素含有量
血中酸素含有量=CO2:血液ヘモグロビン濃度(g/dl)×1.36×酸素飽和度(SO2)+0.0031×酸素分圧(PO2

Isoshunt diagram参17)18)
FIO2とPaO2よりSTを求めることができる。

 

P/F ratio PaO2/FIO2(mmHg)
 動脈血酸素分圧を吸入気酸素分画で除したもの。
 oxygenation indexと表記してある場合もある。
 400以上で正常、急性肺損傷の診断基準にも用いられている。
Oxygen index 平均気道内圧×FIO2/PaO2
とくに機械的換気を行っている新生児呼吸障害において、肺の圧および酸素による障害の可能性を把握するのに好都合と思われる。
コンプライアンス 陽圧換気中の単位圧変化に対する容積変化によって求められる。
effective dynamic compliance(Cdyn):一回換気量/(最大気道内圧−PEEP)(ml/cmH2O)
effective compliance:一回換気量/(吸気終末圧−PEEP)(ml/cmH2O)
effective static compliance(Cstat):一回換気量/(EIPのplateau圧−PEEP)(ml/cmH2O)
(肺の膨らみやすさを評価するのに最も適している)

 

参17)Nichols DG,Rogers MC:Developmental physiology of the respiratory system. Textbook of Pediatric Intensive Care. Volume one. edited by Rogers MC. Williams & Wilkins.Baltimore.p83-111.1987
参18)Benatar SR,Hewlett AM, Nunn JF:The use of isoshunt lines for control of oxygen therapy. Br J Anaesth 45:711,1973.

 


 

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